2018年5月17日木曜日

家に帰るまでがキャンプです:原田順一

 自分のことは自分でできるようになってほしい。とは、大人であれば子どもたちに思う同じ気持だと思います。また、物は大切にしてほしいという気持ちも、同じだと思います。
当たり前のことですが、子どもたちは幼い頃は出来ないことが沢山あることが当然であって、物を壊したり無くしたり、新しい物を欲しがったりと大人を困らせることもしばしばあります。先に述べた様な大人の気持を、どの様に子どもたちに理解させ、育てていくのかは大人の関わり方によって変わってきます。なにせ、子どもたちは大人の与えた物や事に影響されるからです。
 しかし、その大人の気持に相反するように、便利な世の中でもあります。物は溢れ、必要かな?といった物まで開発され、直すよりも買うが先にきてしまう。足りないから買うのではなく、買ってから多いので捨てる世の中に見えてしまいます。また、わざわざ重い荷物を持って旅に出ることも必要なくなりました。行く先々に必要な物はサービスとして置いてあったり、購入出来たり、そもそも荷物を運んでくれたりと、まさに手ぶらで何もかも済ませられる時代です。
 
 さて、昔よくこんな言葉を言われました。「遠足は家に帰るまでが遠足です」。よく聞きますよね。この言葉、私も良くキャンプでの解散式で使用します。「キャンプは家に帰るまでがキャンプです」と言います。親もその場にいるのだから安全でしょうと思うかもしれませんが、私の考えは、重い荷物を背負って4泊もキャンプに行きました。だからこそ、家に帰るまで自分の荷物は、たとえ疲れていても大人に持ってもらうのではなく、自分で背負って帰ってほしい。その様な気持ちがあるからです。そしてこう付け加えます「明日でいいから洗濯物を洗濯する」ここまでぜひやってみてねと伝えます。
そうすることで、旅は自分の荷物を持って出かける。重いけれども、旅とはそういうものだと理解され、洗濯を自分で行い、荷物を自分で最後まで持つことは、お父さんお母さんのありがたみがきっと分かるのではないでしょうか。そして、自分で持ったり洗ったりする物には愛着がわき、物を大切にする子どもに育つのだと思います。重そうだからとか、疲れていそうだからとか、簡単に荷物を持ってあげることはできますが、「荷物は持ってもらう物」に成りかねません。

与えることは奪うことである。良かれと思った行動が子どもたちの大切な考える場を奪わないように我々大人も育て方を改革しなければなりません。できればもっと便利な世の中になる前にと、夏を前によく考えてしまいます。

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